ごあいさつ
前回に引き続きセッション定番曲 On Green Dolphin Street を紹介!
実践編では前回のアナライズをどう演奏に反映させるかをテーマにお話しを進めます!まだモードとコードの境界線『On Green Dolphin Street』 アナライズ編を見ていない方はよかったら一度目を通してみてください!
On Green Dolphin Streetの楽しいポイント
モーダルな展開とコーダルな展開の切り替わりがアツい!
アナ記事では解釈の仕方や方法について話しましたが、実際にフレーズを作っていく時のアイデアのヒントになるようなTIPS紹介して行きます
今回はこちらの演奏を元に話してみます!
Christian McBride, bass Orrin Evans, piano Robert Landham, sax Byron Landham, drums
アドリブの序盤を分析してみました
序盤は勢いというよりは、様子を見合いながら考えながら演奏していくシーンだと思います
ということで今回は序盤の1コーラス目のハーモニーやメロディについてちょっと考えてみましょう!
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記事の後半のリンクから譜面を確認しながら読んでね!
解説始め!
動画の1:06からアドリブが始まります
Aパート
ターンバックのフレーズは4度インターバルを使用しています
そして半音上がりD。これはEM7のM7thをターゲットノートにしています
そしてAに着地。これはEbにとって#11です
4度インターバルに始まり、コードトーンDに着地しまた4度インターバルでA(#11)
このようなフレーズを聞くと
歌心の素晴らしさもありますし、4度インターバルを使いこなす楽器のコントロール力、基礎練習が必要なことがよくわかりますね
そしてEbm7で使用されている浮遊感のあるフレーズはEb whole-half diminished scaleです
コンテンポラリーな文脈では、マイナーコード中でディミニッシュスケールはしばしば使用されます。
Bパート
最初の2小節はターゲットノートがGからGbへと下るフレーズです
間にはCmのようなフレージング
3小節目ではF Eb と流れてBb、GとEbトライアドからのDというながれ
これはG,Gb,F,Eb,Dというリニアラインを作っています
ビバップのランゲージが使われていますね
Aパートのコード感が希薄なフレージングから打って変わって、しっかりとコード間の連結が組まれています
一方でベースラインはF,Eb D,C,Bb,Aと流れていて全体的にルートを無視したリニアラインを作っています
前回のテーマでもあるようにオンコードをふんだんに使っていますね
その後の4小節も引き続きリニアラインを組むようなベースラインを作っていてリハモされています。
Abm7, G7, Db/Gb Db/F, BM/E7
かなり複雑なハーモニーが生まれています
特に最後のコードは偶然生まれたもののように聞こえます
ベースラインが2feelで降っていくのを読んでか
ピアノはEb上に、Bのメロディックマイナーのようなハーモニーを作っています
ベースはEを弾いていて、サックスはD,Bと演奏しています
とてもスパイシーでかっこいいですね
ポイント
モーダルな展開とコーダルな展開を切り替える時には、リズミックなアプローチや、グルーブチェンジが行われることが多いです
ドラムやベースのパターンにも注目してみよう!
A2パート
そしてA2では、スペイシーなフレーズを作っています
最初の2小節はその後のアイデアの布石という感じで
Ebm7からは上昇するオクターブフレーズですがインターバルが
6th,7th,6th,7thと繰り返すような、まるで計算しているかのようなフレーズで
最後の着地がトニック上でのb9thです
これもたまにみかけるアプローチの一つでトニックメジャーに対して、half-whole diminished scaleを使用するものだと思われます
ここでは1音しか演奏されていないので、明確なアナライズはできません
Cパート
Cパートはまたビバップ的な文脈に戻るのですが、ベースラインがおそらく別のコードを想定しているでしょう
最初の2小節が定番では下降するラインを作るのですが、ベースが上昇していて
サックスのフレージングとうまく噛み合っていてとてもキュンとくるハーモニーができていますね
そしてここから、盛り上がっていくという展開になっています。
まとめ
譜面をみると特にわかりやすいと思うのですが、このように
リードシートに書いてあるようなコード進行で進んでいくことは珍しいです。プレイヤーそれぞれがアイデアを出し合いながら少しずつコード進行は変化していきます。この後も3:05から始まるコーラスもメロディやリズムに呼応するようにハーモニーが変化して行きます!
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