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The Days of Wine And Roses色んなコード進行ありすぎ!!

今回は名曲The Days of Wine And Rosesの色んなアレンジを聞いてみましょう!

そしてコード進行を分析してみましょう。

邦題は酒とバラの日々。通称「酒バラ」しばしば初心者向けと紹介されがちなこの曲ですが、有名であるが故に細やかなコード進行は奏者によって豊かです。

聴き比べてみましょう!





Days Of Wine And Roses · Oscar Peterson Trio

from We Get Requests 名盤です。

まずはこちら!

前半部分のコード進行を見ていこう!


オスカーピーターソントリオのコード進行(ぴゅら子解釈です)

|F6 |Eb7 |D7 |D7 |

|Gm7 |Gm7 |Eb7 |G7-5 C7|

|F6 |Dm |Gm7 Gm7/F| Em7-5 A7|

|Dm D7|Gm7 |Gm7-5 |C7 |


よくあるリードシートのコード進行!


結構違いますね!

1段目は小さく書いているD7の方が採用されています。

こちらはセカンダリードミナントをⅡ-Ⅴのように見立てていて、Ⅱmの部分が省略されている形です。想定内。

2段目は最後の小節が、リードシートではEb7ですが、オスカーピーターソントリオではGm7-5 C7と演奏されています。三段目がFになっているので、これはFへのⅡ-Ⅴモーションです。

その後もDmへ解決するタイミングが少し違いますね。

そして最後のGm7-5は曲のフックになっています。すごくかっこいいですね。


他のアレンジも聞いてみましょう!


The Days of Wine and Roses · Joe Pass · Mercer · Mancini · Mercer · Mancini

from Catch Me

こちらはボサノバアレンジです!


こちらのコード進行は、ほぼこのリードシートと同じですね


FM7 トニック

Eb7はBbm6の代理コードと捉えるとわかりやすいですか?サブドミナントマイナーの役割です。

Am7 D7がⅢm7 Ⅵ7で、Gm7へのツーファイモーション

Gm7はサブドミナントからEb7のサブドミナントマイナー

サブドミナントからサブドミナントマイナーへ進むパターンとしてこの形も覚えているといいですね!

そしてAm7はⅢm、Dm7はⅥm、Gm7はⅡmとダイアトニックコードを4度進行しています。ルートがFに下がってEm7-5 A7-9はⅥmであるDmへのツーファイブです。

頭のFに戻るためのⅡm7-Ⅴ7

リハーサル記号A2もAと同じコード進行。

リハーサル記号Cは途中でⅢmへのドミナントモーションを軸にしたツーファイブの形Bm7-5 E7-9です。これは音源ではE7は裏コードのBb7が使用されています。

あとは逆順でFに戻る。


よく見かけるリードシートのようなコード進行で演奏されていますね。

初心者向けと言う割には、結構しっかりSDmやセカンダリードミナントも登場していて、勉強になる曲って印象があります。


Days Of Wine And Roses · Bill Evans · Mancini

from Consecration II

最後にエバンストリオのアレンジを聞いてみましょう。


ビルエバンストリオのアレンジ(ぴゅら子解釈)

|F6 |Eb7 |D7sus4 |D7 |

|Gm7 |Gm7 |Bbm |Eb7 |

|Am7 |Dm7 |Gm7 |Gm7/F |

|Em7-5 A7|Dm7 G7 |Gm7 Am7 |Bbm7 Eb7 |


|Ab6 |Gb7 |Cm7 |F7 |

|Bbm7 |Bbm7/Ab /G |Gb |Gb7 |

|Cm7 |Fm7 Fm/Eb |Dm7-5 |Db7 |

|Cm7 Fm7|Bbm7 Eb7 |Ab6 |Gm7 C7 |

ベースがかなり自由に弾いているので、なにをルートと定めるべきか少し迷いますが大方このような進行でしょう。


このアレンジでは前半がF、後半がAbに転調しています。

転調へ向けたコード進行が挿入されているのが特徴的です。

4段目の3小節目のGm7 Am7 Bbm7 Eb7と、GからBbmへ向けて間にAmが挿入されていますね。


まとめ

一口に酒バラやろうと言っても、どんなコード進行で演奏されるのかは結構ブレがあります

有名な曲ほど、擦られて色んな人の手垢がついています。〇〇みたいなイメージでととっさに注文を受けることもあるでしょう。

上記に合わせて、コード進行自体もそこそこ複雑ですので本当に初心者向けかな?と思ったりします。

そのわりに曲自体に強い強制力がないので、リズム的なアプローチもハーモニーもイメージが固まらないまま演奏されがちで、実力が伴っていなかったら、ありきたりな演奏に収束しがちな曲の最たる例だと思うんですよね。つまり難しいってこと!


酒バラは絶対に通過しないといけない曲であることは間違いないですが、だからと言って簡単とか、酒バラくらい弾けて欲しいとかそう言う曲でもないと思います。

ブルースから弾こうぜ!ブルースも十分難しいです。


この記事では構成も話口調も、いつもとは少しテイストが違う感じで書いてみました。

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次回はスイングする音価、しない音価について話してみようと思います。


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