質問来てた!
「ソロの時の質問です。
メロディックマイナースケール使う!って時はリックを引用しているのか、メジャースケールでm3を意識で歌うのか、ドリアンスケールで長7を意識で歌うのか、音を抜いてペンタのように歌うのか、形で覚えたパターンを機械的弾いてるのか、どういう意識で弾いてるのか知りたいです。」
結論!「 メロディックマイナースケールを使う!」って思う時はほぼなくて、頭の中の歌を演奏した時にメロディックマイナースケール由来の音が混ざっています!
一般的なスタンダードのジャズチューンを演奏する上でメロディックマイナースケールを使うことはもちろんあります。ありますがしかし、ずーっと使い続けるわけではないです。
なぜなら多くのジャズスタンダート曲はメジャースケールを中心にして作られた曲だからです。
つまりダイアトニックスケール、ダイアトニックコードを中心に作られています。
曲の一部のコードが部分転調していたり、あるいは元のコードを裏切るような形で別のコードを想定したりして演奏する時に、ダイアトニックスケールではない別のスケールから音を借用して演奏することが一般的です。そしてそのノンダイアトニックノートを含むスケールの一例としてメロディックマイナースケールが選択肢にあるという認識です。
部分的な転調に対してトーナリティ(調性)を追いかけることはとても大事です。
なので、ダイアトニックコードから外れる部分に対してあらかじめ「〇〇スケールを使うぞ!」という心構えを持つということは大事ですし実際に私もそういう風に考えていたことがありました。
しかしそれはあくまでも初見の楽曲を演奏する時の考え方だったり、ビギナーの補助輪的な考え方だと思います。
コードのチェンジが、体に入っている状態の時は、まずはメロディが頭の中に湧いてきます。そしてそれがメロディックマイナースケール由来の音だったりするという感覚が私の演奏中のイメージです
というのを踏まえた上で、質問に対して一つづつ見ていきます。
『リックを引用しているのか』
演奏中にリックを引用しているという自覚はあまりありません。
しかし、例えばテーマ部分のメロディや別の曲からのクオートをすることはあります。
リックという考え方は、コードやスケールであったりモードに対するフレーズの一例です。
私がリックを使って練習をする時にそもそもリックを覚えてはいないです。そのリックのコンセプトがどの音にあるのかということに自分なりに解釈して、歌い回しの一つとして体の中に入ってくるように練習しています。なのでリックをそのまま弾くみたいな感覚は持っていなです。
『メジャースケールでm3を意識で歌うのか』
こちらはおそらくメロディックマイナースケールが、メジャースケールの3rdをフラットさせたスケールということに着目していて、演奏する時に3rdをマイナー化させると考えているのか?ということだと思われますが、そういった感覚もないです。
まずメロディックマイナースケールを演奏するシーンが最も多いのはマイナーコード上だと思います。なので、ハーモニーの感覚としてメジャースケールを思い浮かべるというプロセスは通らないです。
むしろその後にある「ドリアンスケールで長7を意識で歌うのか」の方がまだ共感しやすいです。
しかし、私の感覚としてメロディックマイナースケール由来の音を出そうとする時に一度ドリアンスケールを経由することはおそらくありません。
『音を抜いてペンタのように歌うのか、形で覚えたパターンを機械的弾いてるのか』
メロディックマイナースケール由来の音を弾いている時に、音を抜いてペンタを使おうという意識はないです。
形で覚えたパターンを機械的に弾くということもないですが「形」というキーワードについては、弾きたいと思う音と強くリンクしている感覚はあります。
まとめ
上記をまとめて説明しようとするとコード進行の中でメロディックマイナースケールのハーモニーが聞こえてきた時に、メロディックマイナー由来の音を含むメロディが歌として聞こえてくるのでそれを演奏しています。
そのフレーズを演奏しようとした時に、コードフォームや指板上の形がイメージされます。
質問の内容から少し疑問に感じたこと
メロディックマイナーのモードで演奏する練習をしたこはありますか?
メロディックマイナースケールは特別なスケールではなく、メロディックマイナースケールから作曲されている曲も存在していてむしろ代表的なスケールだと思います。
なのでドリアンを一音変えてーとか、メジャースケールをm3にしてーとか考えるよりも
一つのギアとして「メロディックマイナースケールを軸にインターバルをとらえる」みたいな感覚を作るのがいいのではないかと思います!
構造的にメロディックマイナースケールについて考える
先述した通り一般的なジャズチューンはダイアトニックスケールを基準に作曲されています。なのでダイアトニックコードの響きが頭の中でならせることが、とっても重要だと思います。
おさらいすると(in C)
CM7 Dm7 Em7 FM7 G7 Am7 Bm7-5
これらがダイアトニックコードです。
同じようにメロディックマイナースケールを3度堆積させて4和音を作ると
CmM7 Dm7 EbM7#5 F7 G7 Am7-5 Bm7-5
こういうコード群ができます。
まずは、兎にも角にもここからだと思います。
メジャースケールを覚えたときと同じように、メジャースケールの曲を演奏する時と同じような感覚でメロディックマイナースケールを扱えるようになるのは大事だと思います。
喋っているだけだと信憑性もないので、実際に弾いてみました。
このトラックは|CmM7| Dm7| EbM7#5| Dm7|の繰り返しです。
メロディックマイナースケールだけで歌うということができるようになってから
チェンジの中で、メロディックマイナースケールが聞こえてくるようになると思います。
聞こえてきたらあとは弾けるようにするだけです。
フレーズを覚えたり、スケールを覚えたり、指板フォームを覚えたり、また覚えたことを使うという感覚も大事です。それらは絶対に必要なプロセスではあるのですが、絶対に歌える1音とか、自然と頭の中に流れてきたワンフレーズを大切にすることもまた自分自身の音楽表現をする上では大切な考え方だと思います!
ご質問くださった前提となる考え方と、私のソロを演奏する方法が少し異なっていたので
回答としては求めているものではなくなったかもしれませんが、なにかに役に立ちましたらさいわいです!
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