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ビバップのフレーズを相対的な音程で確かめよう!

ぴゅら子のジャズアナはじまるよ〜お!


ということで、今回はビバップフレーズを分析していきましょう!

題材にする曲はチャーリーパーカーのコンファメーション『Confirmation』


分かっちゃいるけど吹けないコンファメーション♪

という歌詞で有名ですよね?(有名ですか?)



この記事では親みを込めてコンファメと呼ばせていただきます!

偉人たちの間でもメロディに微妙な揺れがありますが、こちらのテイクを参考にしました。

あまりにも有名なので聞いてみてください!



ということで、譜面にまとめてみました!

この曲はAABAというフォームですが、今回の記事では最初のAAを取り上げます!


今回の記事は分析の方法論みたいなものを紹介しながら、実際に分析も行うという

一粒で2度美味しい記事となっています。


アナライズのすすめ!〜音を採って終わらすな!〜


コードと、おたまじゃくしと、その下に数字とアルファベットが書いてますね。

これは、インターバルを記載しています。

小文字のmはマイナー、大文字のMはメジャーを表します。数字は度数です。


部分的に2種類のインターバルを記載しています

緑色の文字(上段)がコードに対するインターバルです

そして、青文字(下段)が想定スケールに対するインターバルです


緑はいわゆるコードを追いかけた時に見えるインターバルの世界です。

そして、青は移動ドで歌唱した時に見える世界です。


2種類のインターバルを表記する理由

ジャズはコードを大事にする音楽だと聞いたことはありますか?実際にその通りで、コード進行にそったメロディ組み立てロジックが存在していると言われています。

しかし、一方でコードに沿ったロジックだけで成立しているわけではありません。

同じようにコーダルな手法で説明しようとすると、スッキリしない部分もあります。

それはスケール的なアプローチをしている箇所があるからで、だからコーダルな視点とモーダル(スケール)な視点は同時に持っていることが大切です。


それでは実際に見ていきましょう!


アナライズ本編

コードの切り替わるタイミングで赤線を引いてみました。

こうしてみると、コードの切り替わりって小節に沿っていないですよね。


コード譜面の通りにコードが切り替わっていると捉えて、インターバルを書いても全然整理されていない文字を読んでるだけで理屈が通らないので、自分のものに落とし込むまでに遠回りをしてしまいます。

この音はどこから始まっているんだろう?という視点を持って分析することがとても重要です。

加えてアドリブ演奏する時も、このようにコードに沿った演奏とは時に小節線をまたぐと考えることが自然です。


こうやって見ると基本的にコードトーンは拍頭にあります。

5小節目のBb7のフレーズと、7から8小節目にかけたフレーズは少し異質だと思いませんか?


5小節目のBb7はブルースノートスケールで歌うフレーズだと思います!

ここは明らかにコードに沿った考え方から離れています

このように、コーダルな考え方から抜け出すフレーズには、トーナルセンター(キーの中心音)からインターバルを捉えることで演奏のしやすさ、分析のしやすさが得られます!


7から8小節目にかけたフレーズは実はコードに沿ったフレーズです。

これはGm7 C7という流れですが、Gm7を無視していてC7を想定したフレージングだと思います。もっというとC#dimを感じさせていますね。


ちなみに、1小節目の3拍目にBbを記載していますが、これはメロディのガイドとしてBbがあるような気がすると思ったので記載しました。

A C A Bbが Bbの音を挟んでいて、3拍頭にBbがあるのでコードチェンジを想定しているような気がしました。



続き!の譜面

※ここからは、この譜面の頭を1小節目として話します


こちらも基本的には、同じように少し前から次のコードを先取りしている部分がありますね。


4-5小節目は青文字を入れています。こちらもトーナルセンターから考えた方が自然なメロディだと思います。

ちなみに4小節目はF△とGmの2つのトライアドを組み合わせた、ヘキサトニックスケールのフレーズで5小節目はブルーノートスケールと考えることもできるでしょう!


5小節目はコーダルなアプローチと捉えてもいいしGハーモニックマイナースケール由来のフレーズと捉えても良さそうです。

DのHmP5↓スケール(又の名をフリジアンドミナント)です。


そして7,8小節目もスケールライクなメロディです。


解像度の高いコーダルな分析!

コーダルな分析の中でも、もっとミクロな視点を持って分析することで見える景色があります!


例えば1小節目は見切れていますが、前の小節のCを引き継いでいます。

紫の線の部分を注目していくと

C A Bb G A F G Eb というスケールのシーケンスが見えてきます。

このようにコードトーンを抑えながら、スケールを降っていくフレーズはビバップラインの常套句の一つです。


コーダルなインターバル視点の活かし方

メロディを覚える時に、いわゆるドレミ(やABCなど実音)で覚えることは重要ですがそれだけだと突然の転調には耐えられないです。

私もそんな突然の転調に耐えられるほどの音楽地頭がないですが、今回紹介したように、コーダルなインターバルを上手に整理して覚えると、メロディを移調しやすいです。

コードに対するインターバルのパターンを整理して演奏する体験が溜まっていくと、絶対的な音程を演奏する感覚を補完していく感覚があります。


楽器に適したインターバルのトレーニングはたくさんあると思いますが、実際の楽曲を使用してインターバルのトレーニングを行うことを勧めたいです。


モーダルなインターバルの視点の活かし方

今回は、モーダルなインターバル(青文字のやつ)は特徴的な部分にのみ振りましたがコーダルなコンセプトで作られたと思われるメロディも移動ドや、今回振ったようなインターバルで整理することは有効だと思います。

しかしコーダルなメロディは演奏する時に、コードを想定している必要があるのでサウンド全体の音を一聴しただけでなんとなく聞き取れるくらいの、耳の良さがある上では効果が高いとい思います。コードはあんまり聞き取れないという方はしっかり、コードに沿ったインターバルを理解してから取り組んでも良いんじゃないかなと思います。



さて、この記事が面白いと思った方は広めてくれると嬉しいです!

今回の記事は全編無料です!次回はこの続きをやります

そのまた次回はじゃあビバップの演奏するために考えないといけないことってなんだろう?という練習メニュー作成に関する記事を書く予定です!


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